新時代の幕開けかもなのです
待ちに待ったSIGMA参入
SIGMAのXマウント参入は2021年から噂が出ていて、最近では2月9日の「SIGMA STAGE Online」にて、2022年中に最低でも一つのマウントを追加したいという話をSIGMA社長の山本和人氏がされていました。
「流石にもうそろそろXマウント来るだろう。。。」
という期待に遂にSIGMAが応えてくれました。
ありがとうございます!!!
Xマウント用レンズ開発について
先行レビューとして様々な記事・動画が各インフルエンサーから発表と同時に公開されましたが、レンズ構成・MTFチャート・作例を開発に携わってる方が説明される動画が一番わかり易いと思うので僕の記事と合わせて一度見てみるのをおすすめします。
この動画内で富士フイルムがSIGMAにマウントの情報を公開したことも話されています。
タムロンに続き、SIGMAも公式なサードパーティーレンズメーカーになりましたね。
発売が発表されたレンズ
第一弾のXマウントレンズは他マウントで既存のAPS-C用レンズ「16mm F1.4 DC DN|C」「30mm F1.4 DC DN|C」「56mm F1.4 DC DN|C」の3本にXマウント用の最適化を施されたものになります。
左から16mm,30mm,56mm
外観
デザインは既存のレンズと全く同じで絞りリングやその他ボタン類のないシンプルな見た目で、鏡筒の材質は明言されていませんが、これまでのContemporaryレンズ群と同じくプラスチック感も無く良好でしょう。
ただし、Iシリーズのような金属感・高級感はないでしょうし、純正Xマウントレンズの方が金属の質感は良いと思います。
絞りリングがないのも含めて、Proシリーズ使用者や写真しか撮らないような人向けではないかもしれませんね。
ただし、絞りリングがないのは他マウントの同製品との互換性をもたせるため。
他マウントでこれらのレンズを持っていてXマウントで使いたいと思ったとき、SIGMAにマウント交換サービスを依頼することができます。
SIGMAさん本当にすごいっす。
サイズ感
16mm F1.4 DC DN|C:ø72.2mm × 92.6mm , 405g
30mm F1.4 DC DN|C:ø64.8mm × 73.6mm , 275g
56mm F1.4 DC DN|C:ø66.5mm × 59.8mm , 280g
サイズ感は上記の通り。F1.4という明るさにしては小型・軽量なのがSIGMA Contemporaryラインの魅力です。
富士フイルム純正の競合レンズもサイズ感をまとめておきました。
XF16mm F1.4 R WR : ø73.4mm x 73.0mm , 375g
XF33mm F1.4 R LM WR : ø67mm x 73.5mm , 360g
XF35mm F1.4 R : 65.0mm × 50.4mm , 187g
XF56mm F1.2 R : ø73.2mm × 69.7mm , 405g
まとめてみて改めて感じたのは、富士フイルム純正レンズのコンパクトさですね。
XF16mmF1.4に関しては防塵防滴もついているのにSIGMAよりもコンパクトで小さいです。(SIGMAは簡易防塵防滴)
しかも最短撮影距離は15cmでSIGMAは25cmまでなので10cmもより寄ることができます。
30mm付近のレンズでは、競合というよりも使い分けという感じになりそうですし、
56mmはF1.4とF1.2の差があるのでこれも使い分けが必要です。
すべてのレンズにおいて、SIGMAの方が小さいから、軽いからという理由で選ぶのは少し早計かもしれませんね。
SIGMAの参入でXマウントレンズの選択肢がより豊富になったことは素直に喜ばしいことです。
AF
これら3つのレンズはすべて1枚レンズによるSTM(ステッピングモータ)フォーカス駆動となっています。
そのため、高速・正確・静音なAFを実現しているとのこと。
これはフジに明確に勝っている点だと思います。
33mmF1.4 R LM WR など、第2世代プライムレンズと呼ばれるレンズにはリニアモーターが搭載されており、こちらのほうが高速駆動・静音性には長けていますが、1枚レンズのSTMはリニアモーターの高速駆動・静音性にも負けないのではないでしょうか。
引用 : FUJIFILM
これはやはり動画ユーザーには非常に嬉しいポイントです。
X-S10のような最新の動画向け機を使用している方が真っ先に購入を検討すべきレンズだと思います。
写り・ボケ
これは先行レビューで実機を触っている方の動画・記事を御覧ください。
再掲になりますがこの動画は参考になるのでおすすめです。
どこのレンズでAFしてるのかや、過去のSIGMAレンズとの相違点類似点なんかも話されています。
価格
発売は2022年4月8日(金)なんですが、予約は2月22日からスタートしました。
俺たちの防湿庫ことマップカメラでの価格は画像の通り。
これまでの純正レンズとの比較では価格は一切考慮していませんでしたが、新品価格で比べてしまうと半額以下で買えてしまうのだから、純正に比べて見劣りしてしまうのは至極当然の話なんですよね。
純正レンズとよく比較した上で、価格の面でSIGMAを選ぶのも一つの正解だと思います。
それくらい安い。
富士フイルムのレンズは高すぎたんですが、質の良いサードパーティーレンズが豊富になることでマウントユーザーが増え、純正レンズの値段が下がる相乗効果を期待したいところです。
開発が発表されたレンズ
引用 : SIGMA
SONY Eマウントなどで人気の標準ズームレンズ18-50mm F2.8 DC DN | Contemporaryが開発中であることが発表されました。
このレンズは35mm判換算で27-75mmの焦点距離をカバーするF2.8通しのズームレンズにしては異例の小ささが特徴。
なのに写りはカリカリシャープでビルドクオリティも◎
APS-Cミラーレスカメラの優れた携行性、そのメリットを最大化させる圧倒的な小型軽量ボディが18-50mm F2.8 DC DN | Contemporaryの大きな特長です。
大口径F2.8通しながら、最大径φ65.4mm、長さ74.5mm、質量290g※1というクラス最小最軽量※2を実現。大口径標準ズームを日常で気軽に持ち歩ける存在にします。
小型軽量なボディだからこそ、パーツの素材や構造も厳選しています。アルミニウムに近い熱収縮率を持つポリカーボネート「TSC(Thermally Stable Composite)」を適所に採用し、温度変化のある環境に対しても安定した性能と良好な操作感、軽量化を実現。内部構造の一部にあえて金属を使用することでパーツの薄型化と高い剛性感を確保するなど、毎日の使用にも耐える丈夫さや軽快な操作感も確保しています。
SIGMA
※1 数値はLマウント用です。
※2 AF対応、APS-Cミラーレスカメラ用、F2.8通しのズームレンズとして(2021年10月SIGMA調べ)。
このレンズがXマウントに来るのはまさしくゲームチェンジャー。
現在、XマウントにF2.8通しのズームレンズはXF16-55mmF2.8 R LM WRしかありません。
そのXF16-55mmF2.8 R LM WRは中古でも9万円~の価格。
サイズはø83.3mm × 106mm(W端)ø83.3mm x 129.5mm(T端)
重量が655g。
それは手が出ない。。。
レッドバッジズームという、富士フイルムのレンズラインナップの中でも最高峰の位置づけになるレンズしかF2.8通しの標準ズームレンズがなかったのに、他マウントですでに人気の小型軽量F2.8通しズームレンズがXマウントに来たらもうそれが多くの人にとっての最良の選択肢になってしまうのは火を見るより明らかです。
2022年内の発売を目指して開発中ということでいちXマウントユーザーとして非常に楽しみです。
まとめ
CP+2022に先駆け、2月21日午後9時、SIGMAが富士フイルムXマウントへの参入を正式に発表し、第一弾レンズとして「16mm F1.4 DC DN|C」「30mm F1.4 DC DN|C」「56mm F1.4 DC DN|C」のXマウント版を2022年4月8日(金)に発売することも同時に発表しました。
純正Xマウントレンズとは違った特色のあるSIGMAのF1.4レンズたちが、これからのXマウント発展の次なる一歩になることでしょう。
僕はXF35mmF1.4を持っていて、16mmF1.4は純正のMFクラッチ機構も含めてかなり純正の方が好みなので、SIGMAの16mm,30mmは買わないと思いますが、56mmは非常に気になります。XF50mmF1.0を持っているんですが、やっぱり気軽には持ち運べませんし、明らかに小さく軽いと思います。
XF56mmF1.2と比べてしまうとボケの量・質ともに好みが分かれるところになるとは思いますが、XF50mmF1.0とは比較対象にならないくらい特徴が違うレンズなので、使い分けがしやすく、魅力的だなと感じています。
もしかしたら買うかもしれないけど、やっぱり絞りリングがないのがちょっとネックですかね。
やっぱりそう考えると絞りリングの必要性が薄い動画ユーザー向けなのではないでしょうか。
X-H1のようなフラッグシップカメラにつけるにはちょっと物足りない感があるかもしれないですし、X-T一桁シリーズの’クラシカルな見た目にはこのレンズはアンマッチな気がします。
動画ユーズ、このデザイン、このサイズ感をうまく活かせるのは富士フイルムのカメラ群の中ではX-S10になるのではないかという僕の結論でこの記事を終わりにしたいと思います。