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NOKTON 35mm F1.2 X-mount レビュー:X-Pro3のための最高のレンズ(作例あり)

2022年7月2日

こんにちは。

アライです。

今回は僕の愛機、FUJIFILM X-Pro3に常時つけているレンズ、NOKTON 35mm F1.2 のレビューを満を持してやっていきます。

X-Pro3を完成させたレンズ:NOKTON 35mm F1.2

X-Pro3は2020年初めに発売されましたが、NOKTON 35mm F1.2が発売された2021年秋までの1年半、最高の相棒となりえるレンズがありませんでした

まずは、これがどういうことなのかについて、解説していきます。

X-Pro3のコンセプトに合うレンズが少なすぎる

X-Pro3はハイブレッドビューファインダーという特性を持っている以上、このカメラに惹かれる人、そしてこのカメラを愛用する人のほとんどはOVFを活用していると思います。

すると、レンジファインダー機同様、レンズが大きすぎるとファインダーの視野に干渉するという問題が発生します。

しかしながら、一般的なデジタルカメラ用レンズでそこを考慮する必要はないため、FUJIFILMの純正レンズでも多くはファインダーの視野にレンズ・レンズフードが映り込み、ブライトフレーム内を正確に確認することができないということになります。

ただ、FUJIFILMもProシリーズのようなカメラを出しているのですから、それ用にライカなどでもみられる先細りのレンズシリーズである、コンパクトプライムシリーズが展開されています。

コンパクトプライムシリーズへの不満

僕は実際にXF23mm F2.0 を使用していたことがあります。

コンパクトプライムシリーズも当然素晴らしいレンズ群です。

軽量・安価・防塵防滴・静音高速なAF・写りも優等生的で非の付け所がほとんどないレンズです。

ただし、それらはF2.0。

FUJIFILMはAPS-Cであることも考えれば、F2.0未満のレンズではないと満足できないシーンも多々あります。

さらにいえば、写りに特徴がなく、なんでも綺麗に撮れてしまうというのが不満点でした。

コスパという観点では間違いなく純正レンズ屈指のシリーズではありますが、無難にまとまりすぎているんですよね。

神レンズはすべてを解決する?

写りが面白いレンズを求めているなら、X-mountレンズの最高傑作のひとつであるXF35mm F1.4を使えばいいじゃない。

という話。

確かに一か月間くらいはやっぱり神レンズが一番や!と思っていたんですよ?

X-Pro3 + XF35mm F1.4

でも使っているうちに

これは。。。X-Pro3である必要がない。。。!

と感じました。

なぜかっていうと、OVFを見ている状態でAFを動かすとブライトフレームが思いのほか移動して思っていたフレーミングができなくて手間取ることがよくありました。

AFって設定にもよりますが、OVFを覗きながらシャッターボタンを半押しすれば中央にある被写体にピントを合わせますよね。

ピントを合わせるときに視差の程度が変化するため、ブライトフレームが移動すると思いますが、ブライトフレームが動くということは構図の中心がぶれることになります。

それがストレスでストレスで。。。

X-Pro3は構図だけ決めてシャッターを押して、できた写真は確認せずにいっぱい撮影しようっていうカメラだと思うんですが、まず構図を決めるのにOVF+AFの相性が悪く、これだったらEVFでいいかなと感じたわけです。

AFが嫌ならMFで使えばという話はナシでお願いします。

基本的にピント合わせは電子フォーカスリングでやるもんではないです。

僕はその方が嫌ですね。

それなら。。。と中華レンズに手を出すも

中華レンズはAFこそないものの、安価・軽量・特徴的な写りの三拍子がそろっています。

もともと中華レンズは持っていて、そういえばこんなのあるじゃん!と7artisans 35mm F1.2を防湿庫から引っ張り出してきて使ったんですが、

これはあり得なかったです

EVFならXF35mm F1.4で満足しているのに、7artisans 35mm F1.2は(というか中華レンズ全般は)EVFでしか出番のないレンズでした。

その一番の理由がパララックス補正の有無

パララックス補正とは何かという話は今回はしませんが、これがないと少なくとも接写は不可能のようなもので、写真の幅が狭まるというか、F1.2のレンズなのに寄りの写真撮れないのは悲しい😢

結論へ

そういう経緯を経て、NOKTON 35mm F1.2に落ち着いたわけですね。

僕が望んでいたすべてがあるこのレンズ。

普段出かけるときに使い倒したので今回はその中から厳選した作例を紹介します。

作例

ETERNA ISO160 f/3.6 1/100s

横浜のどっかのビルのエスカレーターから撮った写真。

ETERNAの色味とレンズが出す壁の質感表現がバチっとあってる感じがすごい。

このレンズは弱めの光と影みたいな淡い明暗を自然に絵にしてくれる感じがあります。

もちろんX-Trans CMOSもすごいんでしょうけどね。

ISO160 f/1.2 1/20000s

これは大さん橋から撮ったみなとみらい。

みなとみらいは買い物がてらでよく行くんですが、改めて風景として撮るとすごく映える場所ですね。

この写真、なぜかF1.2で撮っていて、確かに解像感はなくて結構ふわっとしている写真になっていますよね。

左端のクレーンなんてぼやけてるしにじんでるしで酷いもんですが、哀愁漂う写真というか、なんとも雰囲気のある写真で僕はかなり好みです。

ちなみにフィルムシミュレーションは多分Velviaなんですが、こんな落ち着いたトーンにならない気もするので不明です。

ACROS ISO400 f/4.0 1/100s

打って変わって白黒写真。

これはF4.0。絞ればカーテンの質感もライトの柱の質感も完璧。

これは朝ホテルを出る前に撮った写真ですが、やっぱりこのレンズは淡い光をとらえる力が飛びぬけている気がします。

ACROS ISO160 f/5.6 1/170s

ホテルの外観が素敵だったのでぱしゃり。

こちらも白黒です。

陽が強かったのでコントラストが強めに出てますが、金属のざらっとした感じがよくわかるかと思います。

ClLASSIC Neg. ISO160 f/2.8 1/220s

これは桜のシーズン、目黒川の方に散歩しに行った時の写真。

クラシックネガ×桜はやっぱり特別ですね。

標識の反射とその質感もgood

Velvia ISO160 f/1.2 1/1000s

引きの絵が多めだったので寄りの絵を一つ。

公園に咲いていた花を撮っただけですが、F1.2の強みがよく出ているように思います。

これがコンパクトプライムには出せない良さ。

花の接写はカリカリよりもフワフワが好きです。

ASTIA ISO160 f/1.2 1/300s

F1.2でもある程度ワーキングディスタンスを取ればそこまでフワフワな感じにはなりません。

絞りによって絵を変えることができるのに加え、被写体との距離でもかなり作品の雰囲気が変わってきます。

池の近くの植物を撮った写真ですが、池に浮いている落ち葉がぼけていい感じになっていると思います。

ASTIA ISO200 f/2.8 1/60s

ボケの話をするなら外せないのが玉ボケ

F2.8だと若干角ばった形にはなりますが、それ以外のところでは優れていると思います。

木漏れ日の玉ボケはうるさくなりがちなのでこのくらいがちょうどいいのかも

ASTIA ISO160 f/2.8 1/1600s

ちょっと露出オーバー気味ですが、初夏の爽やかさのある写真になっていると思います。

ガラスと空の青×新緑×白の配色バランスが良いんですが、その爽やかさを引き立てているのがこのレンズの繊細な写りなのかなと思います。

ちなみにここはお台場です。

ASTIA ISO320 f/5.6 1/60s

紫陽花が奇麗に咲いていたころの休日、ちょうど雨が上がって濡れている紫陽花を撮ることができました。

注目してほしいのは中央下の葉のリアルさ。

水滴のみずみずしさもさることながら、葉脈一つ一つがくっきりと浮かび上がってくるようです。

ASTIA ISO160 f/2.8 1/240s
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSCF2411-1024x683.jpg
ASTIA ISO160 f/2.8 1/600s

この二枚も同様。

この紫陽花はあじさい寺の別名で有名な明月院のものですが、さすが名所なだけあって綺麗でしたね。

明月院の紫陽花は違うカメラでも撮っているので、また別の記事でお見せすることになると思います。

さいごに

作例はいかがでしたでしょうか。

NOKTONの良さを完全に引き出すことは出来ていないとは思いますが、それでもかなりのポテンシャルがあるのがおわかりいただけたかと思います。

あと、必然的にOVF+MF縛りになるので、圧倒的にカメラが上達していると思います。

構図の決め方、露出の決め方、作品に適したF値の選択。どれもカメラの基礎中の基礎ですが、Pro3 + NOKTONの組み合わせではこれらから逃げることができませんから。

これからもカメラ・レンズのレビューや作例紹介、それとガジェットとかの紹介をやっていくのでぜひまた当サイトに来てくださいね。

あと、Twitterやってるのでそちらもぜひ。

それでは。

  • この記事を書いた人

アライ

22歳の大学生で、大学では有機化学系の研究を行っています。
このブログでは趣味のカメラ・PC・ガジェット・アニメなどについての情報を発信しています。

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