FUJIFILMの「XとGFX」
Xマウントの10年間
FUJIFILMはXマウントとGマウント、2つの異なるマウントで製品をラインナップしています。
Xマウントの始動から10年。
X-Pro1から始まり、最初は貧弱なレンズラインナップでデジタルカメラに必須なAF性能などが大きくかけていたXマウントカメラ。
しかし、X-pro2、X-T3で徐々にスチルカメラとしての地位を確立し
近年ではX-T4でそのデザイン性と向上した動画性能、バリアングルモニター採用などによってガジェット系YouTuberから評判となり
X-S10、X-E4でライト層からの支持をも獲得しました。
そして、2022年は第五世代センサーを引っ提げてフラッグシップシリーズであるX-Hの再建、原点回帰のT5発売で、製品ラインナップと方向性の整備が行われました。
Xマウントは2012から2022年の間の10年間で様々なチャレンジをし、ヒット製品を出したり何をしたいのかわからない製品を出したり、しながら、迷走しつつ2022年にきちんと整備された感があります。
Gマウントの5年間
一方で、Gマウント、GFXは?という話で。
2017年、GFXシリーズ初のカメラとしてGFX50Sが発売されました。
この動画で、当時のFUJIFILM開発担当の方が、X-T1発売のあたりでフルサイズのマウントを持つかどうかの議論があったということを話されています。
紆余曲折あってラージフォーマットのカメラが開発されることになったわけですが、いざ発売に至ると、その画質の評価は相当高かったようです。
ラージフォーマットでしか味わえない諧調表現に虜になる人は相当数いたでしょう。
ただ、当時の発売価格は70万円オーバー。
アマチュアには到底手が出る値段ではないわけです。
なんといってもあと少しでライカが買えますからね。
次いで出たGFX100は、デジタルカメラで1億画素という特大インパクトと圧倒的な画質を持ちましたが、その値段は100万円オーバー。
完全にGFXはプロ向けの機材となっていました。
また、値段だけが障壁になっていたわけではありませんでした。
フルサイズよりも大きいセンサーを使っているということは、当然、ボディもレンズもフルサイズ機よりも巨大化するわけで、レンズ込みで2kg越えは当たり前みたいな世界だったんですね。
その常識を壊しにかかったのがGFX50Rで、完全にぶっ壊したのがGFX100Sでした。
GFX50RはGFX50Sと同様のセンサーを50Sよりもはるかに小さいレンジファインダースタイルのボディに積んでしまったカメラで、現在も愛用者が多くいるカメラだと思います。
GFX100SはGFX100と同様のセンサーを搭載しておきながら、でかいフルサイズ機くらいのサイズ感に落としてきました。
さらにGFX50SIIで、レンズキット50万円で最新のGFXを借るようになってしまったんですよね。
5年間でレンズも増えましたし、アマチュアにも手が出せる程度の敷居になってきました。
ボディはα7RVよりも安いですから。
GFXが買いやすくなってきていること自体は事実でしょう。
そんな僕もまさしくGFX50SIIでラージフォーマットデビューを果たしました。
結局もう手元には50SIIはないのですが、
今回はGFXを実際に使用した僕が、アマチュアにGFXが必要なのか。という話を撮影した写真とともにしていきたいと思います。
GFXを楽しむために
レンズがない
僕はGFX50SIIのレンズキットを購入しました。
学生の身分で50万円はでかすぎるわけです。
実際にはマップカメラの交換値引きだったり、下取りに出したPro3がそこそこの値段で売れたりで負担額はかなり控えめでしたが。
何が言いたいかというと
キットレンズ以外のレンズは買えないわけですよね。
中古で買うにしても10万20万。
Xマウントなら56mm F1.2という超銘玉が5万そこらで買えます。(マップカメラのセールがすごい)
まあそんなわけでキットレンズでどうにか頑張りました。
キットレンズ作例
東京・丸の内
これはGFXを購入してすぐ丸の内まで出向いた時の写真。
丸の内は富士フイルムスクエアもありましたし、何回も行きましたが、どのの季節も映える写真を撮らせてくれて感謝です。
初夏ならではのすっきりとした空気感にパステルブルーの空を多段階にとらえたGFXの諧調表現からくる雲の立体感と、新緑の緑が対照的で、結構気に入っています。
GFXが真価を発揮するのは風景写真だと思っていて、中でも空と雲と影の描写に関しては圧倒的です。
東京国際フォーラム
影を撮るなら東京国際フォーラム。
国立新美術館
影を撮るなら国立新美術館
光を撮るためにスモークを炊いたりすることがある(らしい)けど、GFXは素で光を描写できているような気がする。
ボケを表現に取り入れたくてどうにか頑張った結果。
っていう写真。
ラージフォーマットはフルサイズよりボケやすいけど、それはレンズもラージフォーマットの力を最大限引き出せる場合のみだと考えた方がいいですね。
F値だけを追い求めるなら中華MFレンズを使うっていう手はありますが、レンズ資産的にはオールドレンズで遊ぶ方がよいと思います。
雲が好き
明治神宮
最後のだけはレタッチしてます。下手だけど許して。
結局ラージフォーマットの4:3っていうアスペクト比を生かせずに終わってしまった感はある。。。
ただ、65:24はマジで楽しかった。
ボケが欲しくない?
結局一眼を買う理由って[自然なボケ]or[望遠]じゃないですか。
最近のスマホはかなり画質よくなってきてるし。
いくらなんでもキットレンズしかレンズがないのは悲しすぎる
ということで、ラージフォーマットのイメージサークルをカバーするオールドレンズを持ってきました。
参考にしたブログを置いておきます。
この記事から僕はMINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4をチョイス。
58mmっていう中途半端さとF1.4の明るさが気に入りました。
確かメルカリで8000円くらいのかなり程度のいいものを買ったと思います。
状態にある程度目をつむれば5000円くらいで買えるかもです。
このお手頃さがオールドレンズの魅力。
では作例をどうぞ。(F値は覚えてないです申し訳ない)
MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4 作例
ガラスの反射率が高くてガラスに反射する雲のボケがとてもきれいでした。
ピントは写真右下の手すりのあたりですが、ふわっとしてるわけではなく、カリカリってわけでもない、自然な感じがします。
多分開放で撮ってます。
さすがに周辺減光がきついですね。
キットレンズとは雲泥の差
やっぱり写真はボケてなんぼよね!
純正レンズと違ってカッチリしてないからこその写真。
畳にあたった陽の光がほわっと広がるイメージ
風景をとってもそれなりに様になりますよね。
オールドレンズで撮る風景写真が一番いいんだから。
純正レンズが買えなくてもいいじゃん
ていう結論になりました。
もちろん、純正レンズにしか撮れない写真はあると思います。
ただ、GFXを楽しむために、純正レンズが絶対に必要というわけではないのだと思います。
GFXを、ラージフォーマットを楽しむには、1万円以内のオールドレンズも十分です。
ラージフォーマットだからレンズの幅がないけれど、ラージフォーマットにしか撮れない写真がある。
GFXの絵が欲しいならアマチュアだろうと関係なく、GFXを手にするべきだと思います。
それでもつまらなく感じるときもある
結局Xに帰ってくる
ここまでGFXについて語りましたが、、僕はGFXを手放しているんですよね。
理由は単純で、徐々に不満が募っていったから。
気に入っている手持ちのレンズが一つしかない。
AFで快適に写真が撮れない(AFレンズが買えない)。
動画のローリングシャッター現象がひどすぎて使えたもんじゃない。
これらの不満はその写りの良さだけで相殺できるものではなかったです。
結局、GFXで写真を楽しむことは出来ましたが、GFXを使いこなすことは出来ませんでした。
もちろん、持ってるカメラを必ずしも使いこなす必要はないと思いますし、写真が楽しめているならそれでいいという話もあります。
ただし、自分がそのカメラの全力を引き出せていないことのストレスと、自分がやりたいことができないストレスはそれなりにあって、結局は身の丈に合うXに帰ってきてしまいました。
アマチュアでも手を出せることに意味がある
結局僕にはGFXは必要なかったという結論にはなってしまいます。
完全にGFXを持て余してしまったんです。
でも本当に楽しいカメラだったし、Xのカメラを使い続けていては感じることのできない写真との向き合い方を感じることが出来たように感じます。
フルサイズミラーレス幾が主流になっている現在、別の選択肢としてラージフォーマットを選ぶことのできる現状はすごく恵まれていると感じるし、そこがGFX50SIIの素晴らしいところであると思います。
せっかく手の出せるラージフォーマット機があるんですから、一度は手を出してみることをお勧めしたいです。
たとえ、GFXから離れてしまうことになっても、GFXを使えないのとGFXを使わないという判断をするというのは全くの別物です。
僕にはGFXはいわば宝の持ち腐れになってしまいました。
でも僕でないこの記事を読んでいるあなたには最高の相棒になるかもしれない。
GFXが「アマチュアには持て余すカメラ」なのかどうかはあなた自身が手を取ってみて、実際に使ってみて判断していただきたい。
そう思います。